
続いて戯作者として活動した蔦重作品が並ぶ。
「本樹真猿浮気噺」(寛政2年・1790正月、版元:蔦屋重三郎、蔦唐丸“蔦屋重三郎”作、1冊・三巻合冊、墨摺小本、縦17.3×横12.6cm)と「真体開帳略縁起」(寛政9年・1797正月、版元:蔦屋重三郎、蔦唐丸“蔦屋重三郎”作、北尾重政画、1冊・三巻合冊、墨摺小本、縦17.3×横12.5cm)。
“恋川がむたい記、喜三二が見たい記、万象亭のいらい記、初中後の趣は一也、只未来の心いきをおしはかるのみ”とあり、
つまり、恋川春町の「無益委記」、朋誠堂喜三二の「長生見度記」、万象亭こと森万象の「従夫以来記」は未来の話であるとし、蔦重は今の人の心を測る作品を出そうとしたと推定される。
本の内容は主人公が一儲けしようと様々な商売をするが、突飛な仕事ばかりで事がうまくはかどらない話。一つが小松引きと鹿聞。

そして、「身体開帳略縁起」は、蔦重2作目として“蔦唐丸自作”と明記され、袴姿の蔦重が新年挨拶をしている。この年の5月に47歳で鬼籍に入っている。
TNM(台東区上野公園13-9)