ミュージアム巡り ハニワと土偶 難民群

 

難民群

 

 続いて、清水登之の「難民群」(1941年)で、1937年12月の南京陥落の際、自ら難民居住区に足を運び、難民をテーマに幾度も描いた作品。

 焼け出された被災民の身体は抽象化され、うつろな眼の群れとして描かれている。頭上に平たい皿樹のものを載せ。片手に皿を捧げ持つ人物が供物を捧げる巫女埴輪に似ている。

 清水は前年、比婆山神陵顕彰会委嘱としてイザナミ命を祀る比婆山を描き、同会主催の展覧会で約50作品が考古遺物とともに展示されている。

 そして、後藤守一の「少国民選書 埴輪の話」(1944年1月)は、平明な口語体で書かれた戦時教養書。この中で後藤は子供たちに、“埴輪の顔をみることです”等々と呼びかけている。埴輪を日本人の理想として軍国教育にも使役されている。

美術の戦

 また、石井船亭の「美術の戦」(1943年6月)。

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ ダーリン

 

ダーリン_4点

 

 モンゴル語で、嗅ぎたばこを「ハムリン・タムヒ」、嗅ぎたばこ入れを「フールグ」、包む袋を「ダーリン」とそれぞれ呼んでいる。この3点セットを「フーグル・ダーリン」と呼ぶ。

 モンゴルやチベットの人々は、古くから嗅ぎたばこを好んで嗜んでいた。いずれの民族も放牧と狩猟中心の生活を営み、移動は馬に頼っていたこともあり、喫煙より嗅ぎたばこの方が好まれた。

 また、野外での活動が多いため壊れやすい時期や硝子製の容器よりも、落としても丈夫な金属製や、手に入りやすい角や骨を素材としたものが多く用いられた。

 布製の嗅ぎたばこ入れ収納袋「ダーリン」4点。

 そして、チベットとネパールの骨製3点。

嗅ぎたばこシーン

 モンゴルの嗅ぎたばこを嗜むシーン。

tabashio(墨田区横川1-16-3)

ミュージアム巡り ハニワと土偶 草薙剣

 

草薙剣

 

 次は、中村直人の「草薙剣」(1941年)。

 中村は伏見桃山陵を鎮護する埴輪を製作した吉田白嶺に師事。1937年日中戦争が勃発すると、従軍を志願して逓信員として大陸に赴き、雲崗石窟の石仏や現地の風物を描く。

 また、1944年に軍需生産美術推進隊に加わり、慰問奨励のための絵画やセメント坑夫像を製作。本作は日本武尊の木彫で、埴輪の素朴な土の質感よりも、始皇帝陵・兵馬俑のような堅牢な趣を放っている。

 そして、後藤清一が戦時特別文展に出品した「玉」(1944年)で、国風の精華を讃するもの、戦争を主題とするもの、戦意高揚に資するものという課題があった。

 タイトルの“玉”は、建国神話に登場する神武天皇の母・玉依姫を想起させる。戦争末期は物資不足が深刻で、金属は武器生産に回収され、また良質な石膏の配給が滞っていた。

 そのため本作は乾漆製で、“玉”は埴輪の空洞の眼を両手に入れている。

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ チベット&モンゴル

 

金属製貴石嵌込

 

 モンゴルやチベットでは、古くから嗅ぎたばこを好む嗜みが文化の一つだった。放牧や狩猟が生活の中心であったため移動は馬が基本。そのため喫煙より嗅ぎたばこの方が好まれた。野外での活動が多いため、移動中でも丈夫な金属や動物の角、骨を素材とした。

 20世紀、チベットの金属製貴石嵌込み吉祥模様の2点。

金属&錫

 次はモンゴルの19〜20世紀の金属製瓢箪型と錫製貴石嵌込み花鳥模様の2点。

錫&金属

 同じくモンゴルの20世紀、錫と金属製の2点。

白玉&硝子

 さらにモンゴルの19〜20世紀、白玉、影瑪瑙、雪片地赤被せ硝子の3点。

tabashio(墨田区横川1-16-3)

ミュージアム巡り ハニワと土偶 埴輪美

 

埴輪美

 

 次は、野間清六編、坂本万七撮影、高村光太郎序の「埴輪美」(1942年11月)。

 坂本が撮影した埴輪は、藤本四八撮影による埴輪のドラマチックな表情の捉え方に比べ、抒情性を湛えつつも資料そのものの形状や質感、細部の特性を失っていない。

 高村による序文には、“その面貌は大陸や南方で戦っている我等の兵士の面貌と少しも変わっていない。その表情の明るさ、単純素朴さ、清らかさ。これらの美は大和民族を貫いて永久に其の健康性を保有”していると書かれている。

悲しむ男の首

 そして、仮面研究の第一人者で埴輪解説では顔貌表現に集中する野間清六の「表情美」(1943年10月、生活美術第3巻第10号)。

彫刻の美

 この特集の中で野間は、埴輪に「悲しむ男の首」という見出しをつけ、次のように述べている。

“どうしても泣いている表情である。いとおしいものの悲しみ、使者を哀悼する表微としてこれほど適しいものはない。素朴な表現の内に心懐を率直に叶露している態度は、今のものも何か教えられるところがある”

と抒情的な解説をつけている。

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ 金属製貴石嵌込

 

チベット金属

 

 嗅ぎたばこの風習は、アメリカやヨーロッパ、中国以外にも様々な国や地域でみられ、嗅ぎたばこ入れも各地で作られてきた。

 モンゴルでは嗅ぎたばこ入れを使った伝統的な挨拶があり、人々は長方形の袋に入れて腰帯に挟んで携帯していた。また、中央アジアでは、ナスと呼ばれる特徴的な嗅ぎたばこ文化もある。

 日本では、たばこが広まった江戸時代において、嗅ぎたばこの日常的な喫煙は確認されていない。しかし、蘭書や中国の書物を通じて嗅ぎたばこの存在は知られており、19世紀半ばには外国人向けの嗅ぎたばこの輸入が行われていた。

 チベットの作品左より「金属製貴石嵌込金属飾り模様」(20CE、チベット、30×66mm)、「銀製貴石嵌込鹿模様」(19〜20CE、チベット、48×63mm)。

真鍮製鎖付き

 次は「真鍮製鎖付提げ」(20CE、チベット、60×81mm)。

 そして、「金属製動物模様」(20CE、チベット、41×61mm)。

角&骨

 また、角や骨の3作品。

金属鎖付き

 さらに「金属製貴石嵌込金属飾り模様鎖付提げ」(20CE、チベット、46×73mm)。

挨拶説明

 嗅ぎたばこ入れを用いた伝統的な挨拶の説明。

tabashio(墨田区横川1-16-3)

塩哲 Weekendの麺処巡り らーめん3000 で 塩

塩らーめん

 

 今年412日に駒込1丁目に創業されたらーめん3000」こちらは朝9時から暖簾が出るので朝ラーが愉しめる嬉しい麺処

券売機

 券売機で塩らーめん」1,100円と麺の大盛り150円のチケットを買ってカウンター最奥へ。9時オープンで席が埋まる人気店に

こだわり


 
店主こだわりのある食材から抽出されたスープに丸みのある自家製麺が合わされた一杯美味しく頂いたご馳走様

案内