ミュージアム巡り CB風雲児_蔦重 賽山伏批狐修怨

賽山伏批狐修怨

 続いて、「賽山伏批狐修怨」(寛政10・1798、版元:蔦屋重三郎蔦唐丸蔦屋重三郎、2冊墨摺小本各縦18×13cm)。

 同書は、序文に“午のはつ春 耕書堂唐丸撰”と記されており、午年は寛政10年で、蔦重は前年の寛政9年に5月に歿しており、序を書いたとき翌年刊行することを想定していたのだろう。だた、後年に曲亭馬琴が作者は自分であると回顧(「近世物之本江戸作者部類」所収の「傀儡子」の項目)しており、事実なのか定かではない。

 物語の内容は、山伏や狐、老婆とその娘などが登場し、老狐に対しいたずらにホラ貝を吹いて悪さをした山伏が、狐から仕返しを受けるというもの。

TNM(台東区上野公園13-9)