
次は、「鸚鵡返文武二道」(寛政元年・1789正月、版元:蔦屋重三郎、恋川春町作、北尾政美“鍬形蕙斎”画、1冊・三巻合冊、墨摺小本、縦17.3×横12.5cm)で、蔦重が春町と出した黄表紙。同作も爆発的な売れ行きを記録している。
内容は平安時代、時の帝は質素、倹約、武芸奨励を説き、菅秀才を補佐役として庶民の生活を改めようと判官を召し出す。その政策の結果、店先に並ぶ商品を兜に見立てて矢を射ろうとする者まで出るというもの。
菅秀才を定信にたとえ、鸚鵡言にみられる話を暗示し、寛政の改革をうがちで描いている。このストーリー故に、春町は幕府から出頭命令を受ける。しかし、春町は病気を理由に出頭せず、その後急死している。
TNM(台東区上野公園13-9)