
続いて、「娼妃地理記」(安永6年・1777序跋、版元:蔦屋重三郎、道蛇楼麻阿“朋誠堂喜三二”作、1冊、墨摺小本、縦15.9×11.1cm)で、蔦重が他誌に見立てて吉原を紹介した初期の洒落本。
蔦重の戯作界での出版活動は本作品からスタートしたと言われる。また蔦重と喜三二との交流は、「大通人好記」「見徳一炊夢」「恒例形間違曽我」など仕上げている。
本作の題名は、雅楽で用いられる笙と篳篥を遊び言い換えたもので、文の随所に節がつきリズミカル。掲載された場面は、吉原の俯瞰図。大門灘とあるのは吉原の大門口、中之潮は中之通で、吉原の各町を国に、郡は見世に、郡の各所旧跡は遊女に見立てている。
TNM(台東区上野公園13-9)