ミュージアム巡り 暮らしの中のお菓子 東都歳事記・水菓子屋

 菓子とは、もともと果物や木の実などを示す言葉であって、古くは各地で栽培された果物や木の実が菓子として朝廷に納められた。時代とともに調理をする菓子が作られるようになるものの、長い間“菓子”のほとんどが果物や木の実が占めていた。

 江戸時代には加工した菓子が作られるようになると、果物は江戸で“水菓子”、上方で“くだもの”と呼ばれ、加工して作る菓子とは区別された。

 そして「東都歳事記・水菓子屋」(天保9年・1838、斎藤幸成編、長谷川雪旦・雪堤画)。同書の夏三・巻に「水菓子」と書かれた看板があり、スイカやモモらしき果物が店先に並ぶ様子が描かれている。

 また、「延喜式」巻三十三大膳下にみえる「諸国貢進菓子」(延喜5年・905)には、各地から朝廷へ納められた菓子が記録され、その多くが果物や木の実で、そのほか根菜や甘葛煎もある。

MCLHM(港区白金台4-6-2)