ミュージアム巡り CB風雲児_蔦重 歌まくら

歌まくら

 次は、「歌まくら」(天明8年・1788、版元:蔦屋重三郎喜多川歌麿画、1帖、横大判錦絵折帖、縦27.1×横19.2cm)で、蔦重が企画出版した春画。書名の「歌まくら」は、和歌に詠み込まれた名所や地名の“歌枕”と、歌麿の絵になる枕絵(春画)が掛けられている。

 中央に描かれた扇に、“蛤にはしをしつかとはさまれて鴫たちかぬる秋の夕ぐれ”(宿屋飯盛作、狂歌才蔵集)と記されており、“漁夫の利”の例えが含まれ、男女の密会を意味する“鴫蛤”を表現している。

歌まくら_2

  女性の顔の表情は見えないものの、男の顔をなでる指の動きが愛おしさを表している。ところが、女性の髷の下に見える男の目は醒めており、男女の仲は複雑だ。歌麿はその一瞬のシーンを見逃さず表現している。

目のズームアップ

 当時、春画は非合法の書で一般販売はされていなく、裏で制作されて闇から闇に巷に流れ出た書物だろう。

TNM(台東区上野公園13-9)