ミュージアム巡り 五大浮世絵師 歌麿 五人美人愛敬競 兵庫屋花妻

 続いて、「五人美人愛敬競 兵庫屋花妻」(寛政7〜8年・1795〜96頃、版元:近江屋権九郎、堅大盤錦絵)。当時の江戸で評判の美人を描いた摺物で、コマ絵は美人の名を表した判じ絵となっている。

 本図は、兵庫の髷、矢、花、逆さまの松の葉が描かれているので、“兵庫屋花妻”と読む。花妻は吉原角町の遊女兵庫屋にいた呼び出し(最上位の遊女)。手にした文には、

 「人まねきらい、しきうつしなし、自力画師哥麿が 筆に御面ざしを認めもらい参らせ候へは、こひしき節は御けんの心にてなかめ参らせ候。さなから御面かけのことく心うこき参らせ候て、誠に美人画は哥子にととめ参らせ候」

 この内容は、あなたを恋しく想うときは、歌麿に描いてもらった絵を見ながら、お会いするような気持ちで眺めております、のような文章。さらに、節々に歌麿による持参の言葉も見られる。

ueno-mori(台東区上野公園1-2)