
次は、「見立茶番」(寛政5〜6年・1793〜94頃、版元:蔦屋重三郎、栄松斎長喜筆、1枚、大判錦絵、縦36.7×横25cm)で、三名の女性が扮装姿で三角形に配され、歌舞伎の見得を切るようなポーズ姿図。服装や持ち物から歌舞伎演目「暫」の見立と判る。
それぞれ、縁台に立つ女性は清原武衡、右下は鎌倉権五郎、左下は鹿島入道震斎の見立。こちらの見どころは、三名がいずれも当時実在した女性の姿で描かれているところ。上段は湯島天神女坂上の水茶屋・立花屋おたつで、下段の二人は右から難波屋おきたと高島おひさ。
本作は画中に人名表記がないことから、寛政5年に遊女以外の女性の名を入れることが禁じられた以降の出版と推定される。
TNM(台東区上野公園13-9)