ミュージアム巡り CB風雲児_蔦重 大坂新町東ノ扇屋

 次は、「大坂新町東ノ扇屋 花扇太夫」(寛政中期・1789〜1801頃、版元:蔦屋重三郎、栄松斎長喜筆、1枚、大判錦絵、縦38.2×横25.5cm)で、大坂の太夫を描いた白雲母摺大首絵で、その他シリーズ計4図が存在する。

 面長で首が細く、肩幅の狭い構図が長喜の特長で、髪の生え際に板ぼかし様薄墨を摺り、その上から毛割の版を重ねている。また、亀甲の櫛が半透明に透ける工夫は、歌麿版と異なり幾何学的な表現が出ている。

 同じ蔦重版でも歌麿と長喜では細部の彫摺に違いがあり、絵師のオリジナリティを最大限に活かした作業が垣間見える。これも蔦重の版元の工程作業差配なのだろうか。

TNM(台東区上野公園13-9)