
次は、「隅田堤花盛の光景」(安政2年・1855、三代歌川豊国画、版元:恵比須屋庄七、大判錦絵三枚続)で、安政の大地震で焼失した吉原遊郭の仮宅で、三囲稲荷の笠木から聖天町辺りの仮宅と見える。
襖も紙や禿の着物に火焔玉があり、玉屋山三郎の仮宅と推定されるものの、実際の玉屋の仮宅は山之宿町にあるため、豊国の創作か。

そして、「花山宿霞の弾始」(安政3年・1856、三代歌川豊国画、版元:林屋庄五郎、大判錦絵三枚続)で、槌の絵に“宝”の赤い提灯があり、吉原の大黒屋を描いているようだが、安政3年の吉原細見を確認しても山之宿に設けた大黒屋の仮宅がないため、これも創作か。

さらに、「墨水花両岸」(安政3年・1856、二代歌川国貞画、版元:近江屋久助、大判錦絵三枚続)で、左側のタイトル右下に三囲稲荷の鳥居が見えるため、その右図家屋は隅田川と山谷堀の交差するあたり金華山下瓦町の仮宅だろう。船着き場や猪牙舟が直接店前に横付けできる仮宅なので、規模の大きな仮宅なのだろう。
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