ミュージアム巡り 隅田川の名所 武蔵屋

武蔵屋

 次は、「武蔵屋」(19世紀前半期、歌川国貞“三代豊国”画、その他不明)で、木母寺境内にある植半に隣接していた武蔵屋清五郎が描かれた団扇絵で、宣伝用のものと推定される。店の前には隅田川に続く内川があり、料理を載せた盆を仲居が運んでいる。

本所小梅 小梅庵

 そして、「江戸 高名会亭尽 本所小梅 小倉庵」(天保年間・1830〜44後期、歌川広重画、版元:藤岡屋彦太郎、大判錦絵横)で、本所にあった小倉庵の外観が描かれ、2階建て母屋に離れもある大きな料理屋と判る。店の前には源森川(源兵衛堀)が流れ船遊びや釣りも出来た。

 寄せられた狂句に“下戸上戸 百人も寄る 小倉庵”とあり、店が汁粉を名物としていたことを取り入れ、下戸も寄るとしたり、店名から小倉百人一首と関連付けている。

三囲之景 出羽屋

 さらに、「江戸 高名会亭尽 三囲之景 出羽屋」(天保年間・1830〜44後期、歌川広重画、版元:藤岡屋彦太郎、大判錦絵横)で、三囲稲荷の鳥居笠木が描かれている。しかしこの絵のメインは葦簀張り茶屋に立つ“幕の内 出羽屋”で、芝居町で幕の内弁当を商っていた店で花見シーズンには向島墨堤で弁当販売をしていた。

 扇形枠には“鉄砲ハゑんりよ 出羽屋で 狐けん”とあり、狐拳ゲームは、狐に庄屋に勝ち、庄屋は鉄砲に勝ち、鉄砲は狐に勝つ、というルールでおこなうジャンケン。つまり、出羽屋は稲荷の近くにあるので、狐に勝つ鉄砲は遠慮しなけらば、という意味。

tabashio(墨田区横川1-16-3)