
初代歌川広重の描いた「名所江戸百景」シリーズ(通称:江戸百)は全118図あり、目録として二代広重の落款が入った1点が加わる。これは初代広重の最晩年の作品群で、幕末に多く見られる堅絵の名所絵シリーズの中でも最も人気のあったもので、シリーズの作本を印象派画家ファン・ゴッホが油絵で模写したことでも有名。
次は、「名所江戸百景 吾妻の森 連理の梢」(安政3年・1856、歌川広重画、版元:魚屋栄吉、大判錦絵)で、亀戸に近い吾妻権現が描かれている。弟橘媛を祀る神社で、一本の根元から二股に成長した連理の樟でも有名。
中央左に見えるのが連理の樟で、桜の咲く頃、人々が参詣に出向く様子が描かれている。手前に北十間川があり、川や池のぼかしを減らした後摺で、初摺よりすっきりした印象を受ける。

(墨田区tabashio横川1-16-3)