
次は、「見立曽我の対面」(天明7〜寛政元年・1787〜89頃、喜多川歌麿筆、1枚、横長判摺物、縦21.5×横57.7cm)で、曽我の対面の各役を演じた歌舞伎役者を、当時の狂歌師に見立てた摺物。歌麿が北川豊章を名乗った安永期に役者絵を描いた貴重な逸品。
絵の役と役者、狂歌師の組み合わせは右から次のように推定される。
梶原景時 三代目大谷広右衛門 土師搔安
大磯の虎 三代目瀨川菊之丞 唐来参和
梶原景高 初代尾上松助 浅草市人
近江小藤太 初代中村仲蔵 問屋酒船
八幡三郎 四代目松本幸四郎 諸事行業
鬼王 三代目大谷広次 柳原 向
朝比奈 未詳 倉部行澄
団三郎 三代目市川八百蔵 腹唐秋人
曽我十郎 三代目沢村宗十郎 読人白寿
曽我五郎 二代目市川門之助 軒端杉丸

天明5年(1785)に蔦重宅に四方赤良、朱楽菅江、唐衣橘洲が判者として集まり曽我の役名を題に狂歌を集め、狂歌師の位つけを定めら役者評判記「狂歌評判 俳優風」を刊行している。この俳優風にも数人が参加していたことが判る。
TNM(台東区上野公園13-9)