
東都名所梅屋敷満花之図
亀戸天神の近くに清香庵という梅園があり、梅屋敷と続称され、銘木・臥竜梅が有名で梅の盛りには多くの人々が詰めかけた。梅の季節の後も、梅の実を塩漬けにして売り出していた。
亀戸の梅屋敷の起源は、百姓の土地で祖先が植えた梅が奇木に育って、水戸光圀候が訪れたときに臥竜梅と名付けたという。園内には300本の梅の木があり、とくに梅屋敷の臥竜梅は浮世絵によく描かれていた。
次は、「東都名所梅屋敷満花之図」(天保年間・1830〜44頃、歌川広重画、版元不明、中短冊判錦絵)で、梅屋敷の臥竜梅が描かれ、香りで多くの人々を魅了した。

江戸名所尽 梅屋敷臥龍梅開花ノ図
そして、「江戸名所尽 梅屋舗臥龍梅開花ノ図」(天保年間・1830〜44頃、渓斎英泉画、版元:万屋𠮷兵衛、大判錦絵横)で、梅が満開の頃の梅屋敷で、園内には床几や茶店もあった。