
続いて、「傾城買四十八手」(寛政2年・1790正月、版元:蔦屋重三郎、山東京伝作&画、1冊、墨摺小本、縦16×横11.3cm)で、京伝の洒落本代表作。遊女と客の駆け引きを写実的に描き、粋に遊び、野暮な客を笑いとばし、遊郭における通の指南書とされたもの。傑作として評判も高い。
遊女と客の様々なやりとり、傾城(遊郭)での遊びの手練手管が取り上げられ、その内面の実相を描きだし、京伝が描く「慾界之仙都昇平之楽国」は、鯉に乗る遊女(琴高仙人図)。総目には、しつぽりとした手、やすひ手、見ぬかれた手、そはそはする手、しんの手のシチュエーションが上げられている。
“しんの手”では、相互に思いやる愛情溢れる会話がなされており、京伝自身が家に帰るのが月に5〜6日といわれるほど吉原を知り尽くし、遊女を妻としたからこそ、同書をテキストとした読者が共感できるような心理描写を描き出している。
TNM(台東区上野公園13-9)