ミュージアム巡り 隅田川の名所 浮絵両国夜景ノ図

浮絵両国夜景ノ図

 続いて、「浮絵両国夜景ノ図」(文政年間・1818〜30初頃、歌川国貞“三代豊国”画、版元:山口屋藤兵衛、大判錦絵三枚続)で、両国橋の上には鈴なりの人々、川面にも多くの納涼船が花火見物に集まっている。納涼船の船号に歌川丸や五渡丸とあるのは、描いた歌川国貞(別名:五渡亭国貞)にちなんだもの。

 橋のたもとには見世物小屋や茶屋があり、その幟には軽業師の“玉本小金太”と記され、文化元年(1804)に東両国で興行した記録が残っており、絵の制作年と興行年が合わない。天保期の後摺にも同作があるため、両国の花火は群衆を描いた図が好まれていたようで、後摺の作と推定。

浮絵両国夜景ノ図_後摺

 ちなみに、同作品名の後摺も残っているため、一部訂正され、色気も代えられたようだ。

tabashio(墨田区横川1-16-3)