
次は、「俳風柳多留 細見をみてこいつだと女房いい」(寛政3年・1791頃、版元:鶴屋喜右衛門、鳥居清長筆、1枚、中判錦絵、縦25.1×横18.7cm)で、同書は江戸時代に刊行された川柳の句集。川柳を題材にしたシリーズは天明期と寛政期の二期に出版されている。
“細見をみてこいつだと女房いい”の川柳とともに、亭主の馴染みが載る吉原細見を“こいつだ”とつまみ上げる女房。その仕草や表情などが、なぜか滑稽。天明3年以降の吉原細見は蔦重の独占出版なので、ここに描かれている書物も蔦重版か。
本書は“苦界十年”といわれた遊女達の苦労を地獄になぞらえて講釈した内容。
TNM(台東区上野公園13-9)