ミュージアム巡り CB風雲児_蔦重 啌多雁取帳

啌多雁取帳

 次は、「啌多雁取帳」(天明3年・1783正月、版元:蔦屋重三郎、奈蒔野馬乎人・志水燕十作、喜多川歌麿画、1冊・3巻合冊、墨摺中本、縦17×12.2cm)で、質屋番頭が遊里に溺れ首となり桶屋に転身。数多くの雁に連れられ巨人国に。そこで大タライ修理中にタガが外れ、その弾みで江戸に戻るという荒唐無稽な物語。

 タイトルは嘘のはなしをしっかり受け取るようにという意味で、判取帳(金銭や物品授受の証印を受けておく帳面)と雁取をかけている。

 奈蒔野馬乎人は序で、“雁が飛ぶのを見て、亀が地団駄を踏む”(身の程をわきまえず、他人のまねごとをすることのたとえ)の趣向をいっている。

 また、歌麿の怪訝な表情の半身女性像が描かれているが、これが後の大首絵を彷彿される構図とみた。

TNM(台東区上野公園13-9)