
続いて、「突当富魂短」(安永10年・1781序、版元:蔦屋重三郎、西奴作・南陀伽紫蘭“窪俊満”序、1冊、墨摺小本、縦15.6×横10.9cm)、江戸の遊里における人間模様、見世と遊女、客との会話が口語体で表わされた洒落本。
刊行年の記載はなく、序文に安永10年の年記がある。同年は、蔦重が朋誠堂喜三二とタッグを組んだ黄表紙「見徳一炊夢」を観光したとし、“作者西奴戯作”とあるものの誰かは判らず。
序文は浮世絵師の窪俊満で、南陀伽紫蘭は俊満の戯作号。この絵は大門口から吉原が描かれている。吊るされた短冊には新宿や深川などが書き込まれている。
TNM(台東区上野公園13-9)