ミュージアム巡り 隅田川の名所 新版浮絵向島桜之図

新版浮絵向島桜之図

 墨堤とは、三囲稲荷神社から木母寺まで隅田川沿いに延びる隅田堤のことで、現在は墨堤通りになっている。春は桜の名所で、これまで数多くの浮世絵で描かれている。

 その桜並木は、8代将軍吉宗の命により享保年間(1716〜36)に植樹され生まれている。吉宗はほかにも飛鳥山や御殿山に桜、中野に桃を植樹し、江戸庶民が花見を愛でて行楽場所を用意した。

 花見処では水茶屋が設けられ賑わいをみせ、中でも墨堤が「江戸名所花暦」でも江戸第一の花の名所と記されている。

 次が「新版浮絵向島桜之図」(文化年間・1804〜18頃、歌川国満画、版元:川口屋宇兵衛、大判錦絵横)で、三囲稲荷前の墨堤をそぞろ歩きする姫君一行が描かれている。堤の元には屋形船から行列を眺めている光景も。

 こちらの図はシリーズで描かれ、他には両国の花火、浅草寺の雷門、吉原中之町の桜がある。国満は文化〜文政年間で活躍した絵師。

美人花見

 もう1図、「美人花見」(文政年間・1818〜30頃、歌川国安画、版元:江戸屋松五郎、大判錦絵三枚続の内二枚)で、中央の1図が欠けたものと推定。満開の桜の中、長命寺近辺の堤を歩く女性が描かれている。茶店の桜餅の幟がポイント。

tabashio(墨田区横川1-16-3)