
次は浅草寺と隅田川が描かれた「東都旧跡尽 浅草金龍山 観世音由来」(弘化元年〜2年・1844〜45、歌川広重画、版元:若狭屋与市、大判錦絵)で、3人の漁師が隅田川から網にかかった観音像を引き上げる図。正しくは檜熊兄妹二人と伝わるが、浮世絵には3人の姿が他の作品にも多く描かれている。
東都旧跡尽は、江戸近郊の名所についてその由来を描いた10図のシリーズもの。隅田川に関する図は、本図のほかに、木母寺・梅若の由来、隅田川・都鳥の故事、吾妻森の故事、浅草が原一ツ家・石の枕の由来など。

参考図として「江戸名所図会 巻之六 浅草寺」(天保5〜7年・1814〜36、齋藤月岑編、長谷川雪旦画)では、境内の鳥瞰図を見開き5図(10頁分)で描かれており、歌川広重の「東都名所 浅草金龍山」は本図を元に描かれていたと推定される。

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