ミュージアム巡り CB風雲児_蔦重 吉原細見

吉原細見

 続いて、顧客の視点で読み親しんだ「吉原細見」の原点に触れるコーナーがあった。

 まずは、「吉原細見」(安永4年・1775・7月:小泉忠五郎、1冊、墨摺横小本、縦10×横15.5cm)で、鱗形屋が安永3年正月に版行した「細見嗚呼御江戸」を蔦重が改訂を行い、卸と小売取り次ぎを担当し、初めて出版界に名を刻んだ書。

 また、安永4年7月版では当時、「吉原細見」を独占版行していた鱗形屋が重版事件に関わって同書の発行が出来なくなり、以前より同書の改訂を担っていた小泉忠五郎が単独で版行する。

 この細見は、横本の判型で江戸一丁目の遊女屋から順に遊女を紹介するものの、既に廃業した女郎屋を黒く塗りつぶして、旧来形式で版行されたもの。

籬の花_1

籬の花_2

 

 ところが、蔦重が版本となって同時期に版行した吉原細見「籬の花」(安永4年・1775・7月、蔦屋重三郎、1冊、墨摺中本、縦18.8×横12.6cm)や「五葉松」(天明3年・1783・7月、蔦屋重三郎、朋誠堂喜三二序、四方山人・大田南畝跋、1冊、墨摺中本、縦18.5×横12.8cm)では、判型や編集内容で工夫の跡が歴然。その利用読者にとって、断然見やすく判りやすくなっている。

五葉松_天明3年版
TNM(台東区上野公園13-9)