2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ミュージアム巡り ハニワと土偶 ハニワ_2

ハニワ_2 続いて、斎藤清の「ハニワ」(1953年、二曲一隻屏風)。第2回サンパウロ・ビエンナーレ出品作。 二体の埴輪の背後に大きな埴輪の足だけみえており、ここが国立博物館だと判る。円筒や円錐、球からなる体を白黒の隈取りで単純化し、キュビズム化した埴…

ミュージアム巡り 水心子・江戸三作 正秀・文化八年

正秀・文化八年 次は、脇差・銘「正秀(花押)(刻印)文化八年二月日」(製作年:1811年、長さ:38.9cm)。 このように平造の寸延び脇差作品は、正秀の作にはごく僅かで珍しい。刃文も本工として類例少ない匂口の締まった中直刃を破錠なく焼いて冴えている。 刀身を引…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 孔版第83号

孔版第83号 続いて、若山八十氏が編集・出版を手がけた「孔版」(1951年9月)の第83号には、女人埴輪の表紙が飾られた。 埴輪の上に放射状の線をつなぎ合わせてトレースし、幾何学形態として捉えようとしている。これは、現代彫刻と縄文土器を並べて論じる、の…

ミュージアム巡り 水心子・江戸三作 水心子正日出・文化六年

水心子正日出 続いて、脇差・銘「水心子正日出(花押) 文化六年八月日 応瀧儀兵衛好以富士山之水淬刃」(製作年:1809年、長さ:51.4cm)。 この脇差は、大互の目乱れが濤瀾調を呈しており、銘文から“富士山之水”を焼き入れの細に用いているのが判る。これはおそら…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 土師部

土師部 次は、羽石光志の「土師部」(1955年)は、製作途中の埴輪が立ち並ぶなか、土師部が作業に従事している光景で、埴輪と人の形が折り重なるように配置され、活気が伝わる。目黒がちな土師部と埴輪は似ていて明るく愉しげだ。 羽石は1946年にGHQに武者絵を…

ミュージアム巡り 水心子・江戸三作 川部儀八郎藤原正秀

川部儀八郎藤原正秀 次は脇指・銘、「川部儀八郎藤原正秀(刻印)寛政十一年八月日 正宗作大進房彫圓」(製作年:1799年、長さ:56.4cm)。 本作は、鎌倉期の正宗作に施された相州彫りの名手・大進房の刀身彫刻のデザインに倣って、表裏に彫刻が再現されている。 また…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 古代より(一)

古代より(一) 海を渡り欧米の文物を見聞する旅から帰って、改めて埴輪や土偶を再発見した画家たちがいる。西洋が原始美術を発見した過程をなぞるように、西洋合理主義文明の中に忘れられた存在を、コスモポリタンの目で新たに見直すというものだ。 西洋のモ…

ミュージアム巡り 水心子・江戸三作 水心子正秀・寛政九年

水心子正秀_寛政九年 続いて、脇差「水心子正秀(花押)寛政九年八月日」(製作年:1797年、長さ:44.4cm)。 元を直ぐに焼出し、のたれに互の目を交えて部分的に飛焼を表し、穏やかな焼刃スタイルで、この時期の作品に多く見られる濤瀾調の乱れに仕上げられている…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 埴輪修理

埴輪修理 続いて、杉本健吉の「埴輪修理」(1960年、木炭・紙)で、埴輪修理中の国立博物館技手・松原正業が描かれている。松原は彫刻家で埴輪収集家でもあり、戦後は修復師として活躍。 また、考古学や美術、文学を繋いだ重要な存在で、報道にもよく取り上げら…

ミュージアム巡り 水心子・江戸三作 出研閃々光芒如花

出研閃々光芒如花 水心子正秀は、寛延33年(1750)に出羽国置賜郡中山諏訪原(現在の山形県南陽市)で生まれ、鍛冶職として農具からのちに刀匠へと転身。 刀工銘ははじめ「宅英」、後に「英国」と名乗り、本格的な修行は明和8年(1771)に武蔵国八王子の下原吉英の…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 たつろう

たつろう 次は、佐藤忠良の「たつろう」(1950年)で、モデルは長男の達郎。 佐藤は国立博物館で、藤本四八による埴輪群像の撮影に立ち会っており、報道カメラマンで美術品の撮影に不慣れだった藤本に撮影角度などを助言している。 このブロンズ像の、一重まぶ…

ミュージアム巡り 水心子・江戸三作展 於武州出羽住人五郎正秀

於武州出羽住人五郎正秀 墨田区横綱にある「刀剣博物館」(The Japanese Sword Museum)で「水心子正秀 没後二百年記念 江戸三作“正秀・直胤・清麿”」展(2025/3/8〜4/14&5/11)が開催されており、鑑賞した。 パンフレット コチラは、安永年間(1772〜81)から幕末…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 玉

玉 後藤清一は、戦中に同じタイトルの乾漆像「玉」(1944年)を製作している。こちらのブロンズ製の「玉」(1949年)は、女人埴輪の装束から裸体像に代わっている。つまり、戦後になり彫刻家のもとに金属が戻ってきたことになる。 眼は風洞ではなく、イメージの…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 出土

出土 続いて、榎戸庄衛の「出土」(1953年頃)で、「抽象と幻想」展(1953年)に出展した作品。 榎戸は戦後、疎開先の茨城で畑から出土する埴輪と出会い、その素朴さと簡明さが近代絵画に通じるという着装を得て、この作品が生まれた。埴輪の写生をもとに単純化…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ 黒漆塗瓢箪形人形

黒漆塗瓢箪 最後に日本製の嗅ぎたばこ入れを数点。 黒漆塗 「黒漆塗瓢箪型人形と鶴模様」(20CE、日本、49×83mm)。 象牙 次は象牙製の3点。 象牙_2 そして同じく象牙製の2点。また「黒漆塗瓢箪型」(19〜20CE、日本、30×79mm)。 梅と桜 「朱漆塗梅と桜模様」(1…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 数々の出版物

数々の出版物 1950年代は日本中の“土“が掘り起こされた時代。敗戦で焼け野原となり、その復興と開発のためにあらゆる場所が発掘現場となった。 皇国史観に基づく歴史記述の脱却と克服は、重要な課題であり、なかでも考古学は実証的かつ科学的な学問として脚…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ 蔫録

蔫録 日本での嗅ぎたばこは、一時的なもので流行しなかった。しかし、大槻玄沢が著したたばこ研究書「蔫録」(文化6年・1809)には嗅ぎたばこ入れに関する記述がある。 そこには嗅ぎたばこ入れの図とともに、日本に伝えられた中国の書物から引用した文章が掲載…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 戦後の出版物

戦後の出版物 続いて、終戦直後の“黒塗り教科書”の時代を経て、刷新された歴史教科書の冒頭には、古代の神々の物語に代わって、石器や土偶、埴輪といった出土遺物の写真が登場する。 アップ_1 登呂遺跡の再発掘ニュースは、敗戦で歴史を喪失した日本国民にと…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ ナスとナスカドゥ

ナスカデゥ_2点 パキスタンからカザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンといった国々では、現在も喫煙とともにナスと呼ばれる嗅ぎたばこが嗜まれている。 ナスは嗅ぎたばこで、口に含んで噛んで嗜むことが出来る。ナスカドゥは、ナスを保管・携帯する…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 難民群

難民群 続いて、清水登之の「難民群」(1941年)で、1937年12月の南京陥落の際、自ら難民居住区に足を運び、難民をテーマに幾度も描いた作品。 焼け出された被災民の身体は抽象化され、うつろな眼の群れとして描かれている。頭上に平たい皿樹のものを載せ。片…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ ダーリン

ダーリン_4点 モンゴル語で、嗅ぎたばこを「ハムリン・タムヒ」、嗅ぎたばこ入れを「フールグ」、包む袋を「ダーリン」とそれぞれ呼んでいる。この3点セットを「フーグル・ダーリン」と呼ぶ。 モンゴルやチベットの人々は、古くから嗅ぎたばこを好んで嗜んで…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 草薙剣

草薙剣 次は、中村直人の「草薙剣」(1941年)。 中村は伏見桃山陵を鎮護する埴輪を製作した吉田白嶺に師事。1937年日中戦争が勃発すると、従軍を志願して逓信員として大陸に赴き、雲崗石窟の石仏や現地の風物を描く。 また、1944年に軍需生産美術推進隊に加わ…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ チベット&モンゴル

金属製貴石嵌込 モンゴルやチベットでは、古くから嗅ぎたばこを好む嗜みが文化の一つだった。放牧や狩猟が生活の中心であったため移動は馬が基本。そのため喫煙より嗅ぎたばこの方が好まれた。野外での活動が多いため、移動中でも丈夫な金属や動物の角、骨を…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 埴輪美

埴輪美 次は、野間清六編、坂本万七撮影、高村光太郎序の「埴輪美」(1942年11月)。 坂本が撮影した埴輪は、藤本四八撮影による埴輪のドラマチックな表情の捉え方に比べ、抒情性を湛えつつも資料そのものの形状や質感、細部の特性を失っていない。 高村による…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ 金属製貴石嵌込

チベット金属 嗅ぎたばこの風習は、アメリカやヨーロッパ、中国以外にも様々な国や地域でみられ、嗅ぎたばこ入れも各地で作られてきた。 モンゴルでは嗅ぎたばこ入れを使った伝統的な挨拶があり、人々は長方形の袋に入れて腰帯に挟んで携帯していた。また、…

塩哲 Weekendの麺処巡り らーめん3000 で 塩

塩らーめん 今年4月12日に駒込1丁目に創業された「らーめん3000」へ。こちらは朝9時から暖簾が出るので、朝ラーが愉しめる嬉しい麺処。 券売機 券売機で「塩らーめん」1,100円と麺の大盛り150円のチケットを買ってカウンター最奥へ。9時オープンで席が埋まる…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 空なる眼

埴輪写真フィルム 雑誌「造形芸術」第3巻第6号「埴輪の研究」特集は、陰影を強調し暗闇に浮かび上がる埴輪の群像から始まる。黒い背景や顔のアップ、俯瞰構図、斜光による明暗の凹凸対比など、埴輪を美的にみる視点が明白に提示される。 編集者・藤本韶三は考…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ 内画鼻煙壺_2

羅漢群像 硝子製鼻煙壺の中には、内側に人物や風景が描かれた内画鼻煙壺がある。 琥珀と水晶 また同じく内画鼻煙壺の3点。さらに、「硝子製羅漢群像模様」(20CE、中国、68×95mm)。そして、「琥珀と水晶」の2点。 また、「牧歌模様」の2点。また、花や魚、動物…

ミュージアム巡り ハニワと土偶 埴輪の戦意高揚

戦意高揚 1938年4月、国家総動員法が公布され総力戦遂行のために、国家の全ての人的・物的資源を政府が統制運用できるようになると、埴輪も戦意高揚に動員されるようになる。 戦意高揚_2 野間静六の著書「埴輪美」の序文において、詩人で彫刻家・高村光太郎は…

ミュージアム巡り 嗅ぎたばこ入れ 内画鼻煙壺

内画鼻煙壺_1 硝子製鼻煙壺の中には、内側に人物や風景が描かれた内画鼻煙壺がある。 内画鼻煙壺は、壺の口から筆先の曲がった筆を入れ、墨や水彩絵の具で裏返し書き(逆絵)の手法で、壺の内側に文字や絵画を描く内画技法を用いて製作された鼻煙壺。 内画鼻煙…